あごミャンマーで2番目に最も貧しく開発の遅れた州としてのイメージがあるチン州ですが、深い森や山々などの美しい大自然に恵まれた地域です。チン州はバングラディッシュとインドとの国境に接しており、人口が少なくインフラの未発達のおかげで標高3000メートル以上の山々が連なるまさに秘境と言える地域。キリスト教の影響を強く受けた土地柄、チン州に住む人たちは英語を上手に話します。近年、ミャンマー国内の道路状況が改善されてきたおかげで、一般の人々もこのフレンドリーな人々の住むチン州へ旅することができるようになってきました。都市部の喧騒から逃れるためにこの地を訪れる国内からの旅行者が年々増加しています。

チン州を旅するベストシーズンは?

Chin高地を訪れるなら雨期が良いと思うかもしれませんが、実はその反対。雨期は雨によって土砂崩れや道路の冠水などが頻繁に起こります。中には4WDでもアクセスできないような道も。もう1つ雨期をおすすめしない理由として、この辺りの道路のほとんどが泥道や砂利道のため、アンラッキーだと泥にはまって動けなくなることがあります。おすすめのシーズンは乾期の11月から4月で、特に11月と12月には美しくめずらしい花々を見ることが出来ます。チン州の州花のシャクナゲ(現地ではタウンザラットとして知られる)も12月に満開になります。
でも、もし8月に訪れると道沿いにたくさんの松の木(カシヤマツ)を目にすることができます。これらはすべて自然に自生している松の木です。チン州の至る所でこの松の幼木が道路沿いに草のように生えているのが分かります。筆者自身もミンダットとマトゥピまでの道中で松の木の幼木をたくさん目にしました。この多様な動植物に恵まれたチン州は熱心な鳥類学者にもおすすめの場所です。

チン州へのアクセス

チン州は南部と北部の2つの地域に分けられます。チン州南部にはカレー、ファラム、ハッカがあり、山々に囲まれた小さな空港があるカレーはY字型をしたジャンクションタウンです。また、チン州北部最大の街はミンダットとマトゥピです。北部までのアクセスはパコックなどの山間部を経由する必要があります。

南部、北部?どっちへ行く?

旅の日数や個人の好みによって決まってきますが、小さな飛行機に乗るのはちょっと、、という人には北部チン州をおすすめします。また、南部チン州まではエクスプレスバスを見つけるのが難しく、セルフドライブで行くのが主流になっています。長時間の運転やバスの乗車が苦手な人はカレーまでフライトで行くのが良いでしょう。州都のハッカには観光ツアーなどのチン州を探索できるオプションがあります。

チン州南部

南部チン州最大の人気スポットと言えばナマタン国立公園。カンペレ郡経由(アクセス容易)、またはミンダット郡経由(ほとんどが泥道の悪路だが、工事が進められ年々改善してきている)のどちらかで行くことができます。カンペレにはおしゃれなホテルも数件。でも、カンペレ以外の南部チン州にはこういったホテルはありません。また、電力不足の為、大体のホテルには自家発電機が設置されています。ビクトリア山の麓の街なので、ここからバイクタクシーに乗って山頂まで行くことができます。地元の道を熟知したバイカー達が狭く急な斜面の道をどんどん進んで頂上まで連れて行ってくれます。スリリングなので途中息を呑むことも!?そして山頂からは他では味わえない景色を楽しむことができます。木や草、シャクナゲ(タウンザラット)などの木花が周囲の景色と美しく融合しています。この美しい花を咲かせ長い寿命を持つシャクナゲの木を一度にたくさん見ることができる場所はここ以外にありません。12月は辺りいっぺんに咲き誇る満開のシャクナゲの花を楽しむことができるので、一番おすすめです。

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そこから峠道経由で約6時間北へ進んで行くと南部チン州第2の都市、ミンダットに到着します。多くの少数民族の住むエリアで、顔面に入れ墨を施すことで有名なダイ族、ウプ族、ヤ族などが居住しています。しかし、最近では若い女性は顔面入れ墨をしなくなってしまいました。これらの少数民族の家庭を訪問するには地元の人にお願いするか、ツアーを申し込む必要があります。

チン州北部

Chinwikimedia
北部チン州で一番の観光スポットと言えば、ハート型の輪郭をしたリーディル湖(リー湖)。長さ約1.6キロメートル、幅800メートル、深さは約18メートルの自然湖です。湖までの行き方は、まずミャンマー北西にあるインドとの国境近くの小さな町Reh Khaw Daに行く必要があります。リーディル湖を堪能するには、まず地元の人に湖の伝説について聞いてみましょう。いくつかのお話を教えてもらえると思いますよ。


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次はファラムの街を抜けてハッカに行ってみましょう。チン州の州都ハッカは海抜1867メートルの高さにある街です。ここでは地元の伝統に触れてみたり、近隣の山々の山頂からの絶景を楽しむことができます。特に日の出と日の入りの時間帯にはひんやり冷たい空気の中ですばらしい景色を見ることができるのでおすすめです。また、チン州代表サッカーチームのホームグラウンドである大きな木造建築のサッカースタジアムやアスレチック・スタジアムも見逃せません。
以上のように、大自然に恵まれたチン州はぜひ訪れてみたい場所の1つ。きっと忘れられないすばらしい旅になるでしょう。MingalaGoではさらにたくさんのミャンマーの旅の魅力をお伝えしていきます。お楽しみに!