カチンカチン州はミャンマーの最北部に位置する州です。北から東は中国、南はシャン州、西はサガイン地方域とインドと隣接しています。州都はミッチーナーで、その他に重要な町としてバーモ、プーターオ、モーニインがあります。また、カチン州にはミャンマー最高峰の山、カカボラジ山(標高5889メートル)やミャンマー最大の湖、インドジー湖もあります。このミャンマー北部に位置するカカボラジ山は東南アジアでの最高峰となります。同じく、インドジー湖は東南アジアで最も大きい内陸湖です。人口は、ミャンマー全体の州と地方域の中で第10位。翡翠(ひすい)や金でも有名です。カチン州はゆったりした環境の中で自然を満喫できるため、旅行先としても人気の州です。

ミッチーナ

Kachin ウィキメディア
カチン州の州都ミッチーナーはエーヤワディー河岸の高地に位置しています。ミャンマー鉄道の終着地でもあり、多民族の住む都市です。エーヤワディー川沿いの沈泥エリアでは農業や菜園が盛んです。カチン州は世界屈指の上質の翡翠や金を購入できることでも良く知られています。また、カチンの民族衣装や工芸品、その他伝統的な織物や食料品なども購入できます。ミッチーナーのダウンタウン地区には大きな屋内マーケットがあり、伝統的な銅羅(どら)などが売られています。野外のマーケットでは、サルの頭蓋骨で作ったマグカップなど、地元ならではのたくさんの変わった土産品を目にすることができるでしょう。

プタオ

Kachinプタオはミッチーナーから約350キロ北に位置しており、そこまでの移動手段は飛行機のみ。多くの異民族が住む町です。プーターオでは町の約11キロ先にあるムーラ川を渡るムラシディ吊り橋を目にするでしょう。ここでは、北境の未開拓地ならではの大自然の広がる絶景を楽しむことができます。木々や花々は美しく、地元のジンポー族、ラワン族、リス族、タイ族、カマティ山間民族の村々を訪れてみるなど貴重な体験ができます。自然派のツーリストにとってはまさに楽園と呼べる旅行先です。

バーモ

ミッチーナーより小規模な町、バーモはたくさんの丘に囲まれた美しい町です。バーモには川の傾斜によって水量が変わるたくさんの渓谷があり、町はこの渓谷によっていくつにも分断されています。イラワジー川の水量が多い時は、町の低地は水に浸かりますが、通常それほど長くは続きません。ミッチーナーからカタまでは鉄道が繋がっており、そこからバーモまでは船で川を渡って行きます。特に祭りの時期になると、色とりどりの民族衣装を着たリス族、ラワン族、カチン族、シャン族、パラウン族の人々を目にすることができるでしょう。早朝4時から始まる朝市もあり、薄暗いろうそくの光の中で、果物や野菜、花などが売られています。

ミッソン

Kachinミッソンはミッチーナーの約45キロ北に位置します。マイカ川(ンマイ川)とマリカ川が合流して、エーヤワディー川の始点となる美しい地域です。ミッチーナーからは途中舗装されていないでこぼこ道も含め約1時間半、タクシーで片道約50,000チャット前後です。(バイクタクシーの方が安くなります。)

インドジー湖

Kachinもう一つのカチン州でおすすめの観光スポットとして、モーニイン郡区にあるインドジー湖があります。ミャンマー最大の内陸湖で、インドジー野生動物保護区にも指定されています。インドジー湖の真ん中に浮かぶ水上寺院のシュウェミインズ・パゴダはカチン州で大変有名な寺院です。シュウェミインズ・パゴダはインドジー湖の西岸から約460メートル入ったリンロンと呼ばれる水中の砂州の上に建てられています。11世紀、インドジー、タウンソーンローンのセヤドーウニース僧侶が4人の弟子(シラ、サマディ、メッタ、カマッターナ)に3つの石を持たせてパナンモン地区から移動してきたのが起源とされています。彼らが現在のパゴダがある場所に着いた時に、そこに荷物を広げ、その3つの石を使ってパゴダが建つ場所を固定させました。セヤドーウニース僧からの教えに従い、1230年の元日にセヤドーウッタウビタ僧がここにパゴダの基礎を建てました。その後、カソン月(ミャンマー暦)の第13日(1869年4月22日)、ヤンゴンにあるシュエダゴン・パゴダから5つの仏陀の遺物を受け取り、これらの遺物を金の小箱に入れて船で湖を渡り、この地に祀ったとされています。パゴダはカソン月の第6日に完成しました。その当時の高さは約4メートル半でしたが、その後の改装工事で、基礎部分の約12メートルを含め高さが15メートル強となっています。パゴダには石像で飾られたたくさんのテラスがあり、152個にもおよぶ小仏塔もあります。パゴダはカチン州モーニイン郡区の人々の誇りとして燦然たる輝きを放っています。

スータウンピーゼディドー (ミッチーナーの仏教寺院)

“願い事が叶うパゴダ”として知られるこちらの寺院は、ゾージョン・ロードの北端、エーヤワディー川の側に建つ、ミッチーナーで一番に目を引く宗教的建造物です。仏塔の反対側には約30メートルの長さの涅槃像があり、近くには同等の大きさの立像もあります。第二次世界大戦中にここで亡くなった3400人の仲間たちの慰霊を行うために、同じくこの地で戦った一人の元日本兵の出資によって建てられた寺院です。

ミョーマ マーケット

ミョーマ・マーケットはカチン州最大のマーケットです。一日中賑わいが絶えないマーケットは、夜になると周辺の通りも含めたナイトマーケットになります。リス族、ヤオ族、カチン族、シャン族などの色彩豊かな伝統工芸品が並べられているミョーマ・マーケットでのショッピングはとても楽しいものです。

 

スリー・サラスワティ寺院

スリー・サラスワティ寺院はミャンマーの中でも最も大きい寺院の1つで、すばらしい装飾と仏像が飾られる豪華絢爛な寺院です。エーヤワディー川の近くに位置し、驚くほどに美しい金色の塗装がほどこされています。

キスミーレストラン

エーヤワディー川のすぐそばに位置するこちらのレストランでは、バラエティーに富んだ料理(中華、ミャンマー、カチン)がお手頃価格で楽しめます。英国風のメニューもあり、ミッチーナーの地元の人々にもとても人気のあるレストランです。スータウンピー寺院のすぐ隣に位置しています。


モガウンまでの一日ツアー

旅行者に訪れてほしい場所のひとつに、モエクアンという場所があります。
モエクアンは、宝石とこの町で行われた文化活動の数のためによく知られています。ミッチーナーに戻る列車は、毎日午後5時ごろに出発します。ミッチーナーに戻るタクシーは約3万チャット(約2100円)、タクシーそれぞれのサービスに応じてより多くの費用がかかります。

カチン・マナオ祭り

Kachin iDin_PhotoStock / Shutterstock.com Kachinカチン・マナオ祭りはミッチーナーで毎年1月に1週間かけて行われる、カチン州の人々にとって神聖なイベントです。近隣の町や村からの住民全員が集まって来るこの大イベントでは、人々は各々の民族衣装に身を包み、大人数で踊りを披露します。

カチン州への交通手段

ミッチーナーにはミャンマー最北端の河川港と鉄道の終着駅があります。主要空港であるミッチーナー空港からはプーターオやマンダレーなどの他都市への移動が可能です。約100年近い歴史のあるマンダレーとミッチーナー間を結ぶ鉄道は、一度も線路の補修工事がされておらず劣悪な状態のため、通常この区間の移動は約24時間かかります。この鉄道は物資輸送のための主要交通手段となっています。ミッチーナー市内での移動には主に三輪タクシーが使われています。

ミャンマー旅行者の訪問が制限されている地域

カチン州
タニンダーリ地域
シャン州
ザガイン地域
カヤー州
モン州
カイン州